アートスクールで日本画を描く

ひめみこライフストーリー第6話

アートスクールで日本画を描く

 

恋愛が生きる力になって、アートスクールに通えるまで回復した私。

かねてから傾倒していた日本画が描けることで嬉しい時期がやってきました。

 

日本画の構図、色、風合い、技術、モチーフとなる人物や生き物や風景。。

どれも心酔するものばかりで、

匂いや化学物質に過敏で苦手な私には、

油絵やアクリルは辛く、無臭で無害な総天然材料の日本画は、身体にもぴったりなのでした。

 

美術専門学校時代は日本画の技術はなかったので、

水彩絵の具でなんとか世界を表現しようとしていましたが、やっぱり物足りず。

 

天然の鉱石を砕いた岩絵の具、和紙、膠、箔などを使った授業は楽しく、いろんな作品を作り、

アートスクールの仲間たちとグループ展を行ったり、

銀箔貼り屏風絵の大作をアートコンペ前橋に出展して入選したり、

絵を描く時代でした。

 

日本画の巨匠たちの夢のような世界には届かずとも、

自分の中に見える不思議な非現実のヴィジョンを表現することが、私にとってのアートでした。

 

描いていきながら、自分のヴィジョンがあまりにも壮大で異次元で美しすぎて、

もう自分の技術では表現できないジレンマも抱えていました。

当時はこの感覚を理解、共有できる存在は妹しかいなくて、

世の中に受け入れられないジレンマもありました。

 

まだ私の周りには、こんな世界を描く人はあんまりいなかったのです。

 

この時表現していた世界観は、音楽家となった今も変わらず、形を変えて表現しています。

 

そしてそれから20年たったいま、周りにスピリチュアルなヴィジョンを絵に描く人がたくさん増えて、

驚いているのです。

 

アンティーク着物ブームにしろ、

スピリチュアルアートブームにしろ、

まだ誰もやっていない時期に始めていて、早すぎたんですね。

だいぶたってから流行るのです。

 

そんなで、恋愛のデートのためと、絵を描くために、バイトにも行けるようになり、

薬を飲みながらでも、だいぶ元気になっていきました。

 

恋愛とアートは、生きる原動力ですね。

 

つづく