ひめみこライフストーリー第5話
恋愛に目覚める
そんな自律神経失調症で辛い状態の私でしたが、その中にも楽しみはありました。
大好きな芸術や音楽に親しむ時間は、一時的でも癒され、元気になる栄養でした。
本当は音楽家で生きていきたい、と思うくらい音楽が好きで、聴くことで深く癒されていったし、
特に東洋美術、日本美術に傾倒していった私は、日本画、浮世絵、歌舞伎などから日本の着物の美に魅せられ、
着物の美しさや可愛さに触れるときは乙女心が喜び元気になりました。
気分が上がる、というやつですね。
具合悪いながらに、好きなロックバンドのライヴにだけは行ったし、
たまに東京に出てアンティークきもの屋さんを見たり、
その後は1週間くらい寝込んでしまうのですが、それでも楽しかった。
そしてそんな中でも、
中学の部活時代の友人たちが心配して飲み会に連れ出してくれて、
そのバーでウェイターをしていたお洒落なお兄さんが気に入って、服装からして音楽の趣味が同じことが
わかり意気投合して、
デートしてそのままお付き合いするようになりました。
大好きな音楽とアートの世界を共有できる優しい人だったので、
病弱で暗い私でも、その世界観を共にして心地よく一緒にいることができる稀有な人でした。
体育会系の元気いっぱいな男子にはついていけない状態だったので、
ちょっと不健康がかっこいい~というアングラアート系男子がぴったりだったんですね。
不運な中でも幸運な出会いをして、
恋をする、から愛が芽生え、
「愛すること」が生きる力を与えてくれて、少しづつ元気になっていきました。
やっぱり、恋愛、愛することは、生命の根源、生きるエネルギーの源なんだなあ、
ということを実感していった20代。
彼とお付き合いすることで、外に出ていけるようになっていき、
かねてから学びたかった日本画を学べるアートスクールに通い始めることが叶いました。
何もできずに寝ていた頃に比べれば、大きな進化でした!
愛の力は偉大ですね♡
つづく